検診で眼球振盪といわれた



眼球振盪(眼振)とは自分の意思とは関係なく眼球が動く現象(不随意運動)で、生理的なものと病的なものがあります。
生理的な眼振
正常でも、極度の緊張状態や動く物を固視すると視運動性眼振が発生する。
視運動性眼振:小脳や脳幹部が正常な場合、電車に乗っていて窓の外を見ていると視運動性眼振が生じる。小脳や脳幹部の障害がある場合、この反応が鈍くなる(OKN検査)。
病的な眼振
病的眼振の多くは先天性眼振ですが、後天的にも小脳や脳幹部の障害で起こります。  先天眼振は生直後から見られ、水平性(左右)・垂直性(上下)・振子様(往復の幅と速度がほぼ等しいもの)・衝動性(一方にはゆっくり動き他方には速く動くもの)・回転性などに分類されています。
頭を傾けて物を見ている場合、眼振の動きがもっとも弱くなる眼の位置があるので、その方向に頭を動傾けて物を見ています。また頭を振る場合は、頭を振ることで視力が下がるのを防いでいます。動揺視(物が揺れて見える)はなく、眼を閉じることで眼振が減少します。
<原因>
(1)固視不能(眼底の中心にある中心窩で固視できない):先天性白内障・強度屈折異常・無虹彩・黄斑欠損、白子症、全色盲
(2)脳の眼球運動を制御している部分の障害
(3)その他
<治療>
一般的に先天性の多くは、症状、原因、治療などについて総合的に判定し、問題が無ければ経過観察になるが、他の神経症状や問題点がある場合治療が検討される。 (1)屈折異常の矯正                     (2)脳定位手術(今はあまり行われていない)
(3)プリズムまたは外眼筋の切除手術
(4)薬物治療
(5)バイオフィードバック治療など
先天性眼振の主な特徴
一般に動揺視(物が揺れて見えること)がない。
弱視を伴うのが一般であるが、その程度は様々である。
斜め方向に眼振が緩和される静止位があることが多い。
眼振が少なくなる角度で見ると、よく視力が得られるため、その方向に頭を傾けて物を見る場合がある。
後天性眼振(しばしばメマイを伴う)                                     



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