中心が見にくい



「中心が見にくくなる現象」は、角膜、水晶体、網膜、視神経、脳に至る何れの部位での障害でも起こります。しかし、代表的なものとして
①中心性網脈絡膜症:三十から四十歳代の男性に多く、「視野の中心部 が丸く、くすんで、像が小さく見える」と言って来院されます。本症 は網膜色素細胞の血液網膜柵機能障害により、視細胞と網膜の間に水 が貯まるために起こります。網膜色素細胞の柵機能の弱い人が、ストレスやビール、タバコなどの刺激により発症すると考えられています。本症に対しては、OCT検査(網膜断層分析)、HRA検査(蛍 光眼底検、ICG蛍光眼底検査)を施行して、レーザー網膜光凝固治 療が良いとされています。
②加齢性黄斑変性:本ホームページの「対応できる疾患」を参照にして下さい。
③黄斑円孔:黄斑部の網膜に丸い孔があく。周辺は見えるが、視力は0.1以下になります。
④黄斑ジストロフィー:両眼に中心視力の低下、羞明、色覚障害などが起こり、特有の眼底所見で診断されます。
⑤軸性視神経炎:特に、黄斑線維を中心としたし神経障害で、視野に中心暗点を示します。
⑥黄斑浮腫(CME):糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、白内障術後、視神経炎などのときに見られる。蛍光眼底検査で特有な所見を示します。予防法にインドメサシン点眼、治療法にケナコルトのテノン嚢内注射や硝子体手術などがある。
⑦ピット黄斑症候群:視神経に孔(ピット)あり、それが原因で網膜下に漿液性剥離が生じる。
その他、様々な黄斑部疾患で、中心が見にくくなります。中心部の歪みや見にくさを感じたら早めにご相談下さい。

中心性網脈絡膜症は中心が小さく暗く見える
▲中心性網脈絡膜症は中心が小さく暗く見える


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