帯状疱疹の予防


ワクチンを視野に

宇部内科小児科医院(内科)
團 茂樹

帯状疱疹による長く頑固に続く神経痛で悩まされる方は意外と多いようです。本性は水痘、帯状疱疹ウィルスの感染が原因で起こります。

このウィルスは空気感染で咽頭にまず侵入し、それが皮膚での免疫応答により感染から約2週間後に発疹を生じます(水疱瘡のことです。)。この小児のとき罹患した水痘ウィルスが永年体内の神経節に潜んでいて、過労、糖尿病、悪性腫瘍などによる細胞性免疫力低下がきっかけで帯状疱疹を発症します。

水疱瘡にかかったひとの20%は帯状疱疹になるといわれています。水痘ウィルスに対する免疫力は終生免疫ではなく約20年で低下するようです。20歳をすぎて水痘ウィルスに対する免疫力が低下する頃にむしろ自分の子供とか周りに水痘の方がいるとワクチン接種と同様に免疫力が活性化するといわれています。

高齢になればなるほど帯状疱疹にかかりやすく、また治りづらくなります。

2004年1月から50歳以上の人に対して帯状疱疹予防として水疱瘡ワクチンの使用が認可されています。心配な方は水痘皮内反応を調べ、陰性であればワクチン接種を考えてもいいでしょう。水疱瘡の既往のない方は何歳でもワクチン接種は認められています。糖尿病や悪性腫瘍を持つ人および体力に自信がないひとはこのワクチン接種をうけるといいでしょう。


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