食事の影響を受ける血液検査



宇部内科小児科医院(内科)
團 茂樹

血液検査の中で、血糖と中性脂肪(TG)の二項目は空腹か食後採血かでその値は異なります。他の殆どの血液検査の値は食事の影響は受けません。

血糖についていえば、食後三十分から一時間でピークになり食後二時間を過ぎれば、空腹時と同様まで低下します。TGについては食後ゆっくり上昇していき四~五時間がピークだろうといわれています。

最近、内臓肥満や生活習慣病、メタボリックシンドロームなど色々な用語があちこちでいわれています。これらは早期に動脈硬化の危険因子を見つけ、将来的に心筋梗塞や脳梗塞など大事に至らない為の呼びかけです。これらの病気が発症すれば、本人のみならず、周りの人々を巻き込み、さらには介護や医療保険を介しての国民の皆さんに降りかかる問題となります。

血糖についてはまず空腹をみます。最近では食後過血糖の段階から動脈硬化は進んでいる事が判って来ている為、次回は患者さんに食後一~二時間後に来てもらい採血します。

TGの評価もまずは空腹で行います。このとき同時に、LDL(悪玉コレステロール) HDL(善玉コレステロール)とのバランスもみておきます。なぜなら食後誰もがTG値は上がりますが(食後250以下は正常とみなす意見が主流です。)、その食後の値がかなりの高値の場合にHDL 、LDLの値が本来より低く測定されてしまう傾向があるからです。

血糖、TGとも空腹、食後を問わず、正常範囲内になるように治療または指導することを心がけます。


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