風邪は万病のもと 2


なぜ冬に風邪が流行するのか

西銀座診療所(内科)
隈部時雄

 風邪症候群の原因のほとんどはウイルスによるものですが、そのほかにもマイコプラズマ、クラミジア、そそて各種の最近など様々あります。

 なぜ冬に風邪が流行するのかといえば、その第1の理由は「冬は寒い」ということです。寒さにより人の抵抗力は落ちてしまい、例えば、鼻の粘膜一つをみても、感染が起こりやすくなってしまいます。

 第2の理由は冬の寒い時期、暖房によって空気がますます乾燥することで、ウイルスが活発に活動するのに非常によい条件となります。そこに第3の理由として過労・睡眠不測、さらにアンバランスな食事が加わり、体調を崩してしまった時に発症しやすくなるといえます。また第4の理由に、人込み、通勤電車のなかなど人が多く集まる場所での感染の危険性が高くなることもあげられます。

 さらに体力の弱ってくる高齢者の方々、小さい子ども達、そして糖尿病などの慢性の病気の方、こうした方々は特に風邪に対する注意が必要となります。

 小児科でよく聞かれるのが、「うちの子はよく風邪をひくんですよね」とお母さんの声。そう簡単にいう前に日常生活を見直してください。ちょっとしたことが原因で子どもは風邪をひいてしまいます。汗をかいて急に冷えたとか、大人はあまり気にしないようなことでも、子どもにとっては非常に大きな負担になってしまうのです。服装の見直しなど、こうした日常生活でのちょっとした環境の改善によって子どもが風邪をひく回数が減少するはずですからもう1度日常生活を見直してみてください。

 高齢者や慢性の病気をお持ちの方の場合は、特に周りにいる方々が風邪をひいてしまい、うつしてしまうケースがよくみられますから、一家そろって「風邪の予防に取り組む」ことが肝心といえます。
-続く-



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