胃薬がガン治療や帯状疱疹にも



宇部内科小児科医院(内科)
團  茂樹

シメチジンは世界初のH2受容体拮抗薬で、その持続的な胃酸分泌抑制作用にて、胃潰瘍などの上部消化管の治療に使用されている。今は、むしろその領域では後発品に押しやられている現状であるが、特記すべきことに保険適応外ではあるが、大腸がん治癒切除症例の延命効果が報告されている。食道癌、胃癌、肺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌などのようなsLe-XやsLe-Aを発現する癌細胞による癌に対しても、シメチジンは転移抑制効果を示すと推測される。ヒスタミンおよびシメチジンに共通するイミダゾール環構造が関係してるかもしれない。また大腸癌切除患者の周術期投与例ではシメチジンが腫瘍へのリンパ球浸潤を増加させていることも示されている。そのほかにも帯状疱疹や性器ヘルペスの痛みに、抗ヒスタミン剤との併用による蕁麻疹への効果、さらにはPTH(副甲状腺ホルモン)の分泌抑制、それと関連するのかも知れませんが、肩関節周囲の石灰沈着症による疼痛や手関節などの石灰沈着による疼痛にも有用であるとの報告があります。


このウインドウを閉じる
この病院のホームページへ